学校の働き方改革「10の提言と50の具体策」

持続可能な学校をつくるための具体的な提案

2018-01-01から1年間の記事一覧

【コラム2】中教審「学校における働き方改革特別部会(第20回)」を傍聴して

12月6日、中教審「学校における働き方改革特別部会(第20回)」を傍聴しました。 結論から言えば、私たちの悲願であった給特法の廃止・抜本的な改正は「中長期的な課題」として見送られる結果となりました。痛恨の極みです。答申素案への批判をここに書き連…

【コラム1】部活動指導員の効果「160時間削減」の意味は?

12月6日に行われた中教審特別部会で[別紙3]として、「学校における働き方改革の諸施策の方実施による在校時間の縮減の目安」が示されました。 この中の一部は報道でも紹介され、私の手元の2紙では「答申素案では改革の具体策で縮減できる一人当りの年…

【具体策4】英語の+35コマを時間割のコマを増やさずに行う

2020年度から、小学校5・6年生の英語、3・4年生の外国語活動は現行の時間数+35コマの授業時数になります。3・4年生は現行の週27コマから28コマ、5・6年生は週28コマから29コマが基本となります。または、1コマを増やさずに15分×3のモ…

【提言4】「マスト」と「ベター」の区別をする

学校運営における「マスト」と「ベター」の曖昧さは極めて大きな問題です。 例えば、出席簿は公簿でありマストです。運動会はマストではありません。学校行事の中に「体育的行事」を行うことは示されていますが、100m走記録会でも構わないのです。 ベターで…

【提言3】「グレー」な運用を適正化する

学校がブラックになったのは「グレー」が多すぎるからです。 朝、多くの小・中学校で子どもたちは8時前には学校に到着しています。職員の勤務開始は8時15分くらいのようです。子どもたちが早く到着することで教職員は勤務時間の30分〜1時間も前の出勤…

【提言2】目的は「人材確保」という認識から出発する

2年ほど前まで、学校の多忙解消の謳い文句は「子どもと向き合う時間」でした。 しかし今、これは「持続可能な学校」に変わりました。この意味が本当に伝わっているのでしょうか?私は学校の働き方改革にかかわる様々な議論を見聞きしながら危惧しています。 …

【具体策3】部活動を「指導時間」と「見守り時間」に分ける

部活動については様々な立場からの意見があり、収拾は不可能にも思えます。 私がこれから提案する内容も全ての人を納得させるものではないでしょう。 ただ、問題を整理することで私なりの解決の方向を考えたので以下に記します。 [教員の勤務の態様を明らか…

【具体策2】現状分析からエビデンスを

「2016年度教員勤務実態調査」で中学校教員の6割が過労死ラインの時間外勤務をしていたことが明らかになっています。 なぜこんなに忙しいのかという理由は「給特法が・・・」「部活動が・・・」「支援が必要な子どもが・・・」「保護者対応が・・・」「教科…

【具体策1】研修に時間の上限を

学校には多くの研修があります。 校内研修、指導主事訪問研修、市町村が行う研修、都道府県が行なう研修、国が行なう研修。 初任者研修、中堅教員研修のように経験年数で指定される年次研修もあります。 勤務校を一定期間離れる内地留学制度もあります。 私…

【提言1】「時間」を基準にしたマネジメントを

学校はマネジメントが極めて苦手です。労務管理、特に時間管理に関わるマネジメントは「ない」と言ってもよいくらいでしょう。 一例として、ある小学校の授業コマ数の運用を示します。 (以下の話は若干複雑ですが、時間に余裕がある方や関心が高い方は確認…

このブログについて

2年ほど前から「学校の働き方改革」の風が吹き始めました。 今、それはかつてないほどの強風となって中央から地方に吹いています。 喜ばしい事態ではありますが、現実は全く喜べません。 肝心の学校はほぼ「無風」だからです。 私は2年半前から、学校現場を…