学校の働き方改革「10の提言と50の具体策」

持続可能な学校をつくるための具体的な提案

【具体策7】教員免許更新制を見直す

私は今年、教員免許更新をしなければいけません。放送大学を選択し、今まさに講習を受けているところで、ブログの更新が滞っているのはまさにこれが原因です。

多忙な中、時間を見つけ、講義を視聴しているので、当然、批判の気持ちが強く湧き出てくるわけですが、講義そのものは非常に面白いです。しかし、これをもって「その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指す」という制度のねらいが達成されているとは思えません。ここでは詳しく述べませんが、表向きの制度のねらいとは違う、別のねらいがあるから、こんな無理な制度があるのではないでしょうか。教員のなり手を減少させているというデメリットを考えると「廃止」が相当と考えます。 ただそう簡単に廃止とはならないでしょうから、「存続」を前提として少しでも負担がなくメリットの生きる方法を考えてみます。

一つ目は、【具体策1】でも述べた「研修に年間35時間程度の上限を」という提案どおり、免許更新を受講する教員はその年度、校内外のすべての研修を免除するという案です。これは、校長裁量でできるので、非常にハードルが低いです。そもそも、「スクラップ&ビルド」という働き方の基本から考えれば、教員免許講習というビルドがあった時に、何かのスクラップが必要だったのです。教員免許講習は勤務時間外の自己都合の研修になりますが、通常の研修も時間外に行わなければならない現状を考えれば、そのような運用上の配慮はあって当然と考えます。

二つ目は、免許更新に必要な単位認定の緩和です。教員免許更新制は、教育職員免許法に基づく制度で、法律を改正するのは時間がかかります。ですが、免許の認定に必要な講習の要件は文部科学省令で定められますから、これを緩和することは法改正よりは簡単です。具体的には現職教員は学校内のOJTで単位を取れるようにすればよいです。1月29日に行われた「学校における働き方改革推進本部(第1回) 」柴山文部科学大臣 冒頭あいさつでも「教育課程や教員免許などの教育制度も必要に応じて、大胆に緩和などの見直しをする必要がある」と述べています。年間5コマ程度の授業を管理職等に参観され指導してもらえば単位を認定できる制度にすればお金も時間もかかりません。免許が失効している人も5時間の参観・指導なら1日で取り戻せます。

免許更新は10年目で、来年からは2周目に入ります。2周目に入ってしまうと「ではあと10年」となりますので、何とかこのタイミングで改正があることを強く望みます。学校の持続可能性にとって、免許更新制が大きな抵抗になることが明らかな今、柴山文部科学大臣の「大胆な緩和」が真に意味ある形で行われることを強く望みます。まさか「誰にでも免許を与える」ような緩和ではないと思いますが・・・。

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