学校の働き方改革「10の提言と50の具体策」

持続可能な学校をつくるための具体的な提案

このブログについて

2年ほど前から「学校の働き方改革」の風が吹き始めました。

今、それはかつてないほどの強風となって中央から地方に吹いています。

喜ばしい事態ではありますが、現実は全く喜べません。

肝心の学校はほぼ「無風」だからです。

 

私は2年半前から、学校現場を離れ、教職員組合で勤務しています。

2年前、亡くなられた中学校の先生のご遺族から依頼を受け、公務災害認定申請の代理人として申請作業を進めてきました。今年4月にこの事案が過労死と認められたことは全国ニュースにもなりました。これをきっかけにマスコミも学校の動向を頻繁に取り上げています。

しかし、学校の長時間労働を改善するための具体的な改革が遅々として進みません。特に中学校の現場では、80時間は当たり前、100時間、150時間以上の時間外勤務をしている先生方がたくさんおられます。私は焦りを感じずにはいられません。

 

若い先生方が集まった場でそのことを嘆くと、ある先生がこう言いました。

「だって、働き方改革の風が吹いているから、その風を学校に入れようと窓を開けるんだけど、閉めていく先生がいるんです。」

現場で議論を重ねながらの意思統一は非常に難しく、それが改革のブレーキになっているのだと思います。

改革にはリスクも伴いますからそれを受け入れる余裕は今の学校にはないかもしれません。

 

もう一つ、現場の改革が進まないのは「具体策に乏しい」からだと思います。学校の働き方改革の必要性、その緊急性を論じるテキストはここ2年間で爆発的に増えましたが、「学校単位で具体的に何をどうやってやればよいか」を示したものが非常に少ないです。

例えば、「タイムカード」は業務改善の具体策ではありません。タイムカードで時間を把握し、分析し、対策が生まれて初めて具体策と言えます。(タイムカードを否定している訳ではなく、タイムカードは「体温計」、具体策は「薬」のようなものと捉えてください。)

私の考える具体策というのは、例えば「1人が行う研修の時間に年間35時間の上限を設ける」というような実効性のある「最後の一手」です。現在、文部科学省の調査で、小学校で1日平均30分近くの研修があることが明らかになっています。実に年間120時間になります。これに35時間のキャップをつけることで、月あたり7時間の縮減になります。

当然反論もあるでしょう。それは歓迎します。「ではどうすればいいのか?」という議論に発展していければよいからです。

 

私はこのブログで「何をやればよいか」の具体策を提案していきたいと思います。目標は50。「50の具体的提案」です。中には個々の学校では実行に移せない、例えば「始業式を4月8日以降に行う」というような行政レベルの案もありますが、読んでおられる方の賛同を得られればみんなで行政に訴える動きも作れるでしょう。

また、「なぜそうしなければいけないか」という考え方も提言していきたいと思います。これは最終的に10にまとめたいと思います。「10の提言」です。

そして、読者の方から賛成・反対のご意見をいただき、常にアップデートしていきたいと思います。現場ではなかなかできない議論をこの場で進められれば、両論併記の提案ができると思います。

そして、このブログで「いいな」と思ったことをどなたかが学校で提案したり、実際にやってみた効果をフィードバックしていただけたら、それをまた追い風にしていけると思います。

このプラットホームから学校を改善する風を一緒に吹かせませんか?!

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