学校の働き方改革「10の提言と50の具体策」

持続可能な学校をつくるための具体的な提案

ポストコロナの学校改革

【ポストコロナの学校改革15】多様性と向き合う③問題行動や不適応と多様性の境界

平成元年の学習指導要領では「個性を生かす教育の充実」が強く打ち出されました。子ども中心・個性重視の考え方が求められる中で、当時「どんな個性も認めるのか」ということが度々議論になりました。「理科が得意」「走るのが得意」「人に優しい」というポ…

【ポストコロナの学校改革11】部活動改革への提言

私の所属する富山県教職員組合では、去る10月に教職員対象のWEBアンケートを行いました。(1015人から回答) 9月の時間外勤務時間について 【小学校】45時間未満•••39%(昨年12%)、80時間以上•••12%(昨年41%) 【中学校】45時間未満•••24%(昨年10%…

【ポストコロナの学校改革⑨】学校は何を教えるところか

前回、私のブログに意見を寄せてくださった方の中から、「学校は何を教えるところか」という問題提起がありました。それに対する反応が「多様」であることに少し驚きました。「教科を教えるところだ」「いや勉強ではなく人間性を育てるところだ」というよう…

【ポストコロナの学校改革⑧】脱「日本型学校教育」〜教員の本来業務に集中できる環境を〜

私と同じ「ポストコロナの学校」の姿を考えている組織があります。「中央教育審議会初等中等教育分科会」いわゆる「中教審」です。(私と一緒のレベルで紹介してはいけませんね。失礼しました。) 10月7日に「中間まとめ」が発出されています。 「令和の日本…

【ポストコロナの学校改革⑦】「自ら学ぶ子ども」をどうやって育てるのか

子どもたちに「自ら学ぶ力」がついていないことを突きつけたのは、コロナの長期休業でした。休校の間、自分の興味や関心のあることについて勉強をすすめることができたのはごく一部の子どもたちだけでした。平成の教育が目指してきたのは、自ら学び、自ら考…

【ポストコロナの学校改革⑥】未来に生きる力を育てる

今回は視点を変えて教科指導について話をすすめます。 「詰め込み教育」という言葉を聞いたことがあると思います。それに対する「思考力の育成」「自ら学び自ら考える力」「生きる力」は、知識偏重のアンチテーゼとして、昭和の終わりから事あるごとに叫ばれ…

【ポストコロナの学校改革⑤】学校の働き方改革と子どもの学びの両立を

前回、「空気」(同調圧力)による子どもの統率が様々な歪みを生じさせているという指摘をしました。 その中で、世田谷区桜丘中学校の西郷孝彦校長の事例を少し紹介しました。西郷校長は、校則をなくし、社会のルールを学校に当てはめました。つまり、友達に…

【ポストコロナの学校改革④】いじめを防げない学校のボトルネック

今回は【ポストコロナの学校改革①】で示したように「教員が子どもに対する強制力をもたない」中、実際どのように子どもたちを統率しているのかを分析し、それがどのような影響を及ぼしているかを解説します。 まず、教員が子どもたちを統率する方法を①〜⑤の…

【ポストコロナの学校改革③】学校が抱えた保護者の監督責任

前回、【ポストコロナの学校改革②】平成30年間の学校教育の変質で述べたように、学校は内外の圧力によって、抱えきれないほどの業務と責任を背負うことになりました。 特に私がこの30年間の「痛恨の一打」と思うのが、保護者の監督責任を学校が丸抱えしてし…

【ポストコロナの学校改革②】平成30年間の学校教育の変質

今回は、平成の30年間でどのように学校が変質していったかを示します。「何が起こったのか」ではなく、それがどんな意味をもつのかを深掘りしているため、かなり長文になりますが、これからの学校の制度を考える時に、過去の検証は必須です。同じ轍を踏まな…

【ポストコロナの学校改革①】学校制度のボトルネック

「コロナ禍は業界が先送りしてきた問題を可視化した」というのは、あるファッション業界のリーダーの言葉です。利益を優先するあまり、高回転で、大量生産し、大量廃棄する構図に限界があることがコロナ禍ではっきりしたのです。 教育界も、様々な問題が露呈…